大きな虫歯になっている歯の神経を残す治療について(歯髄温存療法)

大きな虫歯になって虫歯菌が歯の神経(歯髄)に対する症状を出し始めてしまっている場合、歯の神経を取らないといけないと言われた経験がある方は多いのではないでしょうか?歯の神経を取るときには歯を大量に削る必要があり、歯はもろくなり割れやすくなるために歯の寿命を一気に縮めてしまう可能性があります。これは歯科関係の方なら誰もが認める事実です。ということは歯の神経はできれば取らない方がいいということになります。それにもかかわらず神経を取るのは痛みを取り除くためです。神経をとると虫歯による痛みを感じなくなりますので、当面の痛みからは解放されますが、歯にはとんでもないダメージを与えてしまっています。

ところが神経に達するような虫歯でも、神経を取らなくても済む場合もあります。神経がまだ本格的にダメージを受けておらず、神経の生命力が高い場合には神経を保存できる可能性があります。ただし、歯の神経はとてもデリケートでその時は症状が無いまま終えることができても、何ヶ月後か、あるいは何年後かにやはり神経からの症状が出てきてしまうこともあります。しかしそのことを予見するのは難しく、結果的には二度手間となってしまうことも残念ながらあるために、最初から神経を取るという治療方針になってしまうこともあるようです。6260D070-046E-47B6-8797-2BA7EC9846D6

当院では大きな虫歯の場合以上のようなことをお話させてもらって、神経を残す治療にチャレンジしてみるかどうかを決めてもらうようにしています。もしくは「神経を残せませんか?」とでも一言声をかけてみて下さい。そういう気持ちのある方で当方が神経がまだ生きていると判断できた場合には積極的に神経を残すような治療もしています。

しかしもっと大切なことは他の記事でも述べさせてもらっているように、そんな大きな虫歯を作らないように生活習慣を見直してもらう必要があるのは言うまでもありません。

 

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骨のコブ(骨隆起)について

 1月10日のNHKスペシャルで骨について特集されていました。骨が若さを保つための信号を出しているということがメインテーマだったように思います。その話の中で、とっても強かった自転車のアスリートが骨量が少ないため軽い衝撃で骨折してしまって選手生命を断たれたというトピックが紹介され、その原因についても触れられていました。骨は衝撃を受けるとその力に耐えれるように骨を増殖させる信号を出すのですが、自転車ばかりに乗っていると、自転車によって体重が支えられているので筋肉は鍛えられるけど、骨には衝撃が伝わっていないので骨を作らなくなってしまうということでした。逆に骨を作るためには骨に衝撃を与えるようにジャンプのリハビリをすると、骨が増えてきたというのです。驚きですね~!koturyuukiopemae
 でも、歯科医療従事者はもっと以前からそのことには気付いていました。それが右の写真のような骨のコブです。どうでしょう?明らかに変に骨が盛り上がっていませんか?何かの病気とか?生まれつきとか?
 これは骨に衝撃が加わっているために骨がそれに耐えようと増殖したのです。ここまで大きい方は稀ですが、その下の写真くらいのコブならあるという方は多いと思います。そしてその方々にコブができる理由をお伝えしてもほぼ自覚できていないという特徴があります。コブがある方は要注意です!骨に余分な衝撃が伝わっています。歯が残っている方の場合には歯を介して骨に衝撃が伝わりますので、歯にも余分な衝撃が加わっているということです。つめものやかぶせがはずれたり、歯が割れたり、虫歯や歯周病も発生しやすくなります。その余分な衝撃が何なのかを突き止めておかないと歯を失っていく確率は高くなってしまいます。

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耳が痛いのも歯科?

続けざまに似たような症状をお持ちの方がお二人来院されましたので、もしかしたら他にもどうすればいいのか原因不明で困ってらっしゃる方がいるかもしれないと思い書かせて頂きます。

共通点はいずれも女性で60代と80代で、耳が痛いから耳鼻科に行って診察を受けたけど異常なしと診断を受けました。異常無しのまま辛い思いをし続けて数ヶ月経過しているということでした。

60代の女性は左の耳が痛く、総合病院も含めて3件の耳鼻科を回ったようですが、異常は見つからなかったらしいです。右下の歯も調子が悪くそのことを耳鼻科の先生に訴えたら、歯科受診を勧められて今回の受診に至りました。

この方の場合、右下の歯も確かに悪かったのですが、耳が痛い、耳鳴りの原因は顎関節の不調だったのです。ちなみに顎の自覚症状はほとんどありませんでしたので、なかなか自分でも気付かなかったようです。
簡単な体操をしてもらうと耳の痛みはその場で和らぎ、「なんか楽になった」ということだったので、それでその日の治療は終了したら、次回にはもうほとんど症状は消えていました。

80代の女性は受診した耳鼻科は1件だけでしたが、顎が開きにくいという自覚症状があったため、その解決を目的に来院されました。1回目、先の60代の女性と同じような簡単な体操をしてもらうと顎の開きも少し楽になるが、まだ痛い。2回目にまた痛くなってきたと急患で来られたので低周波を60分当てました。この直後半分くらい痛みがとれました。3回目来院されたときには顎はまだ痛いけど、耳の痛みはかなり減った、という報告を頂きました。ご本人の努力もあり、残っていた顎の痛みをリハビリとセルフケアによって改善されてきています。今後も顎のケアを続けていくことによってさらに元気になれる(他にもいろいろな不定愁訴があり)可能性があるとお伝えし、一緒に経過を診させてもらっていますが、とても順調に回復されていっております。

ここで重要な要素は耳鼻科的疾患が否定されているということです。耳が痛いならまず耳鼻科です。
次にオススメしておきたいのは脳神経外科です。この二つで異常なしということであれば、歯科を受診してみてください。お二人とも歯科で治るなんて思ってなかったみたいなので、なかなかこの答えに辿り着けてない方も多いかもしれません。

続けざまに似たような方が来院されましたので、顎関連の話になってしまいましたが、その他に上の奥歯の虫歯、炎症による痛み、親知らずの違和感、顎の骨の腫瘍なども耳の痛みと感じてしまうことがあります。

歯科的疾患で耳の痛み、耳鳴りが起こることは十分考えられます。歯科由来で、長期にわたって慢性化している耳の痛み、耳鳴りでなければ早い段階で改善できる可能性は高いです。

 

顎の治療についての当院の考え方はこちら「顎関節症の治療について」をどうぞご覧ください。

歯科技工士不足

11月17日の四国羅針盤という番組で歯科技工士が不足しているという特集がされていました。歯科技工士というのは歯科医院で取った歯の型を元にして入れ歯や詰め物、かぶせを作ってくれる人達のことで、歯科治療とは切っても切れないとても重要な仕事を担ってくれています。

あまり表舞台に登場することはありませんが、歯科技工士が不足してしまうと型を取ってから歯が入るまでの間隔が長くなってしまったり、という問題が起こってしまうと述べられていました。その対策としてこの業界でもデジタル化、技工士の仕事量を減らせるような機械の開発の波は起こっており、パソコン上で人工の歯のデザインをして機械が削り出すというのが次の時代の主流となる流れにあります。

その反面、徳島の歯科技工士の養成学校で定員20人のところ6人しか学生がいないなど、事態は深刻です。歯科技工士が減っている原因の1つに政府が定めた保険の診療報酬が低すぎるというのもあります。歯科技工士は保険請求された診療報酬を直接貰い受けるわけではありません。診療報酬を受け取るのはあくまで歯科医院で、その歯科医院から技工料金として自分の報酬を受け取るようになります。このときの技工料金を保険の診療報酬を考慮に入れつつ設定しなければ、歯科医院の利益が無くなってしまい、今度は歯科医院が立ち行かなくなってしまいますので、高い技工料を設定すると取引してもらえなくなってしまうのです。ですから診療報酬によって歯科技工士の取り分も変わってくるということです。

 

番組の中でも夜中の2時まで仕事を続けている技工士さんの姿が映っていました。技工士の取り分が少ないと先にあったデジタル化、機械化に必要な投資もしにくくなり、どんどん技工士不足の悪循環に入っていってしまう、という構図になっています。
対策としては、

・診療報酬の改善。
・技工士の仕事量を減らせるようなデジタル化、機械化。
・歯科技工士という職業の啓蒙。
・虫歯になったり歯を失わないようにする。

などが考えられるでしょうか。

一般の方にはあまり縁の無い話のように聞こえるかもしれませんが、歯科診療が抱える慢性的な問題の一つで、これからは引く手数多の職業になると思われます。そしてこれを読んで歯科技工士を志す人が一人でも増えたりしてくれると幸いです。

虫歯の穴を埋め終わってからが本当の勝負

このような記事を見つけました。正しく歯科医院と関われているでしょうか?

文章は詳しく少し長いのでお時間の無い方のために、知っておいてほしいキーワードだけ抜き出しますと・・・。

・日本は歯磨き好きな国なのに虫歯が多い。

・「虫歯菌を削り、銀歯を入れれば虫歯治療完了」という考えは全くの誤解

・大半の人が歯を削り、詰め物を入れれば安心する。しかし、それが間違いだと気が付かなければいけない。

・虫歯を削り、穴を詰め、被せることだけが歯科医院の仕事ではない。

・歯科界には「同じ歯を5回治療すれば、その歯はもう終わり」という言葉があるほどです。

・大切なことは「虫歯の原因」にアプローチし、その原因を取り除くことです。

こういうことが詳しく書かれています。是非目を通してみてください。

引用元

http://doclabo.jp/contents/694

 

健康寿命

日本人の場合平均寿命と健康寿命の差が10年あるそうです。つまり、健康上の理由で日常生活に制限があるまま10年くらい生活してから死を迎えるというのです。大まかに言い換えると、寝たきりや介護が必要なまま10年くらいは生きるということです。

日本人はこの平均寿命と健康寿命の差が大きく、医療費や介護費が膨らむ原因になっていたり、介護するために健康な人の助けが必要となるとなってしまっているということです。好んで人の助けが必要な状態になる人はいないとは思いますが、介護状態になるということは自分も悲しいですが、周りにも迷惑をかけてしまうということを頭のどこかに置いて、自分の健康を守れていることだけでも世の中に貢献できているということを知っておくべきでしょう。

自分が不健康になってしまえばまず家庭が暗くなってしまいます。そこからいろいろな悪いスパイラルに落ち込んでしまいます。健康を損なってから健康を取り戻す労力よりも、健康を守っていく労力の方がはるかに少なくて済むことを、多くの方は気付いていません。歯科はその健康を守っていくための水先案内人です。 人生の最後の10年を比較したこんな動画がありました。あなたはどちらを選びますか?

日本人の歯に対する意識はまだまだ低い!

下の画像はとある番組で報道されていた内容ですが、予防意識が高いスウェーデンやアメリカに比べると80歳の時点で残っている歯の本数はまだまだ少ないんです。
番組の中でも触れられていましたが、その原因の1つは日本人は虫歯ができて痛くなったら歯医者に行くのに対して、外国人は予防メンテナンスをしに歯医者に行くという意識があるのです。もちろん、日本人の中にもそのような意識が高い人はいますので、そのような方のお口の中と、痛くなってから歯医者に来る人のお口の中では全く違います。
そして痛くなってから歯医者に来る方々は虫歯の治療が終わればもう歯医者に来なくてもいい、という考え方をお持ちなので、次も虫歯になってから来院されます。虫歯になってからなので、歯を削り治療になりますのでどんどん自分の歯は失われていってます。これはいつまでもできることではなく、最後はもう治療不可能となり抜歯になります。
これが虫歯で歯が失われていく典型的な例です。同じようなことが歯周病に対しても言えます。歯ぐきが腫れて痛いので歯医者に来て治療する。痛みが治まるともう歯医者には来るのはやめてしまって次に痛くなってから来院されます。歯ぐきが腫れるということはまた一歩歯周病が進んでしまっているのに、そのことに気付いていないのです。ですから、少しずつ歯周病は進行し、最後は抜歯になります。
そして、「歯医者は痛いから大嫌いだ」「歯医者は怖い」と仰られるのですが、それはご自分で痛くて怖い治療を選択してしまっているのです。自分で痛くて怖い治療を選択してしまわない方法は歯医者に予防とメンテナンスの意識をもって通うようにすることです。その場限りの治療では口の中にいる虫歯菌や歯周病菌に対する対策までは行われていないため必ずまた再発してしまうんです。いやな治療は選択しないようにしましょう!8020