妊娠中の歯科治療について

前回の「レントゲン撮影の被曝量について」を投稿させてもらって、一番被曝量について気にされるのは妊娠中の方であると思います。妊娠中に受ける歯科治療について気になるのはレントゲン、麻酔、投薬 などではないでしょうか。今回はそのことについて当院の方針をお話させていただきます。
まず、妊娠中にこれらの処置を常識的な使用の範囲で行って胎児に影響を及ぼすということは、まず考えにくいということをお伝えさせて頂きます。しかしながら、例えば飛行機に乗る前に、この飛行機は墜落したりしないだろうか・・・と心配するのと同じように、医学的には99%ありえないことが、自分の身にふりかかることはないだろうかと心配されるのもごもっともだと思います。そういう意味で妊娠中の場合は、慎重に処置内容を選ばせて頂いております。

(1)まだ安定期に入っていない場合は、できるだけこれらの処置を避け、応急的な対応に止めさせてもらうようにしております。

(2)安定期に入っておられる場合は、できるだけ必要最少限で済ませるように心がけつつ行っていきます。

レントゲン

前回の話題にあるようにデジタルレントゲン撮影は被曝量自体も少なく無害ですし、お腹を鉛のエプロンで覆いますので、お腹の赤ちゃんに届くX線はほとんど0と言っていいと思います。万が一鉛のエプロンをせずに撮影したとしても胎児に影響を与えるのに必要な量は当院のデジタルデンタル撮影で15000枚以上必要というデータがありますので、もし気付かないうちに妊娠している時に歯科でレントゲンを撮影しても、お腹の赤ちゃんへの影響はほとんど無いということです。

麻酔

麻酔薬は胎盤通過性がありますが、通常の使用量では赤ちゃんへの影響はありません。

投薬

妊婦の方にも安全に使って頂けるアセトアミノフェン(カロナール)鎮痛剤、セフェム系抗生剤を中心に選択させて頂いております。これらは胎児へ移行することが少ないため安全と言われています。薬は飲まずに済むに越したことはないですが、痛みによるストレス、細菌感染による強い炎症、化膿などがあることはお腹の赤ちゃんにも良い影響を与えませんので、薬を飲んでもらった方がメリットが大きいと判断できる場合は処方させて頂いております。

授乳中の投薬、麻酔

授乳中は薬剤の母乳への移行が心配されますが、実際に母乳へ移行しますが、それは全量が移行するものではなくごく一部です。麻酔については体の中で分解されるのに10時間かかるというデータもあります(もっと短時間のデータもあります)ので半日空ければ麻酔薬が新たに母乳中に移行してくることはないので、どうしても心配な場合は一度搾乳して新しい母乳で授乳してもらうとよいと思われます。
投薬は妊娠中のものに準じたものならば安全とされていますので、妊娠時の処方をさせて頂いております。
生後2ヵ月後くらいまでは代謝能力(薬を分解する能力)が未熟ですので、それくらいの赤ちゃんに授乳する場合は母乳を休止してミルクにしてもらうとかしておいた方がより安全です。

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